「英語ニガテ」からの脱出-3
前回は、私が英語の学習法を変えてテストの点数が上がっていったことを書きました。ですから私は、この学習法を実践すれば誰でも英語の成績が上がるんだと信じきっていました。
ところが私が大学生になった後、ある日母が言いました。
「おねえちゃん、◯◯(弟の名)に英語を教えちゃってくれん?」
弟は、数学と物理はかなりよくできていましたが、英語は中1の時の私と同じで、平均点以下でした。ずーーっと下でした。そりゃあそうでしょう。弟は私の隣の部屋でしたが、毎日全く勉強せず、早くからぐーぐー寝ていました。他の教科もそうなんだと思いますが、英語は勉強しなければ絶対にできるようにはなりません。だから、勉強を全くせず毎日寝るだけの弟の英語の点数が上がるはずがなかったのです。
しかし私には自信がありました。私と同じように何度も何度も書けば、必ず点数は上がる!!と思っていました。そこで、ノートを1冊用意し、毎日弟に教科書の英文を書かせました。
その後、弟の英語の成績はどうなったと思いますか?実は、全く上がりませんでした。そしてある日私は「はっ!」と気づきました。今日「書いた」と言って弟が持ってきた英文は、以前書いた英文の、日付だけ書き換えたものだったのです。
その日私は母に、
「ごめん、やっぱり無理みたい。」
と言って、弟の家庭教師をやめました。母はがっくりと肩を落としていました。
さてみなさん、弟はこの後どうなったでしょう?弟は二次試験に英語のない大学を探してきて受験する事に決めました。しかし、国立大を受験するためには、現在のセンター試験の前身である「共通一次試験」を受けなければなりません。その中には当然英語の試験もあります。
弟は高校3年の年末になって急に英語の勉強をやり始めました(私の助けは一切なしで自分で勝手に勉強していました)。それまで模擬テストでは英語はいつも200点満点中100点も取れていませんでしたが、共通一次本番では、なんと8割近い点数を取ったのです。
弟は私と違って頭がよく、記憶力はとてもよかったということもありますが、私の英語の成績が上がった件も含めた一連のできごとから、私は英語学習について次のような仮説を立てました。
1. 英語の学習は、文法等にあまり時間をかけすぎず、むしろ文自体をどんどん覚えていった方が早く力が伸びる。
2. 英語の学習は、自分が「やりたい!」「やらなければ!」という気持ちがあると短期間で力が伸びることが多いが、人から言われて強制的にやらされるのでは力がつきにくい。
その後私は中学校の英語教員になり、この法則が当てはまるかどうか、教え子の姿を常に観察していました。そして、ほぼ例外なくこの法則が成り立つ、ということがわかりました。
ここからは少し宣伝になるのですが、この経験から当塾では、上の2つのことが無理なくできるように1人ひとりの学習内容を考えます。英語の学習はとにかく続けてやらないと効果がでないのですが、少し他の人の手を借りる事でそれが楽にできるようになります。そのお手伝いをさせていただきたいと思っています。